2017年 08月 20日
第125回 馬見丘陵公園探鳥会記録 |
【 天気 】晴れ 【 気温 】29℃
【 観察記録 】お盆を過ぎ、早朝の空気はやや冷んやりと感じるようになったがまだ残暑は厳しい日々である。 その酷暑の中にも熱心な方々が大勢集まりにぎやかな夏の探鳥会となる。 多くの鳥は繁殖期を終えて公園の林にも今年巣立った幼鳥が目立つが、彼らが厳しい生存競争に打ち勝って成鳥まで育つのは僅か2割ほどであるとされる。 この時期、淡い体色でくちばしの黄色い姿を目にするたびに「ガンバレ」と心の中で応援したくなる。
古墳の丘の林から聞こえるのは蝉時雨のみで、辺りを見回しても目にするのは黒いカラスばかり。 とりあえずスコープで観察しながらハシボソガラス、ハシブトガラスの区別について説明を聞く。 下池橋までは鳥の姿はなく、葦原にも下池にも水鳥の姿は見られない。 池の岸辺に沿ってゆっくりと視線を移動していくと、対岸の林の枝にじっとアオサギがとまっているのが見え、さらに離れた岸辺に頭側線の黒色が淡い幼いアオサギの姿も見られた。 好天のせいか水面を飛ぶツバメも見られず池は青い空を映してひっそりと静まり返っている。
池の北に進み稲穂が付き始めた広い水田を遠望する。 水が張られた休耕田に1羽のケリの姿があり観察を始めると、あぜ道に隠れていたらしい仲間たちが次々と姿を現し、合計7羽の若いケリたちを見ることができた。 すでに高く登った太陽に焼かれながらも水田から吹いてくる風に助けられながら観察を続けていると、小木の枝先でさえずるオスのホオジロ、鳴きながら田の上を通過していく3羽のムクドリ、頭上をゆったりと飛翔するダイサギ、高く低く飛び回るツバメ、するどく一直線に飛んでいくキジバト・・などが楽しませてくれた。 この時点ですでに気温は32℃まで上昇し、池の東岸の木陰でしばし休憩・・・。
池の東南角にある小さな葦原からチャッチャッと鳴き声が聞こえ、声の先を探していると2羽のウグイスが姿を見せた。 繁殖期を過ぎたこの時期にはさすがにホーホケキョとは鳴かない。 倉塚古墳の麓の木立に数羽のシジュウカラが動く。 葉陰から時折姿を見せるが、みな胸の黒いネクタイ模様がまばらで幼鳥か換羽中の様である。
上池方面に進み、柿の木広場の木立の樹冠をメジロ、エナガ、シジュウカラの混群が通り過ぎていくのを観察。 見上げていると空を1羽のカワウが飛んでいくのが見えた。 上池もまったく水鳥の姿はなくひっそりとしている。 対岸でカワセミが水に飛び込む姿を目撃された方がいて、指し示す方向の水面近くの藪をスコープで探す、、と青く光る背中を見つけた。 カワセミ!とみなさんに知らせる間もなく水面を滑るように飛び去っていってしまい、数人の方は見られたものの残念ながらその後は見つけることはできなかった。 トチノキ橋の木道でもカラ類の混群が見られ、ここではヤマガラやコゲラも一緒に移動していくのを見ることができた。
梅林横から跨道橋を渡って南エリアに進む。 タダオシ池にカルガモが1羽いて、池に落ちてきたセミをぱくり!。 木の実や水草だけでなく昆虫も食べるようだ。 「古の丘」でヒバリ、巣山古墳の濠ではカイツブリを1羽観察。 ここにもアオサギが飛来して来て今日はあちこちでアオサギが見られた。 中央エリアに戻る途中、花畑の中にたくさんのスズメが群れて餌をついばんでいる。 スコープで確認するとほとんどがくちばしの脇にまだ黄色が残る幼鳥である。 親から別れてテリトリーが確定するまえの幼鳥たちが集団を作るとのことで、秋になるとそれぞれの居場所を求めて別れていくそうである。 朝からの好天で日向では温度計は35℃を示し、カリヨンの丘のベンチでしばし休憩、、一息ついて公園館へと戻る。
途中、下池のデッキでヨタヨタと鉢植えの木に飛び乗る弱ったスズメの姿が。 近づいても逃げようとしないので、みると片目が潰れた巣立ったばかりの病鳥である。 このまま成長してニヒルな「独眼竜スズメ」といけばいいが、おそらく成鳥まで育つことはないだろう。
公園館に戻り、鳥合わせにて22種+外来種1種と、真夏としてはまずまずの種類が観察できたことを報告し本日の探鳥会を終える。(参加者43名)
カルガモ、カイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、ケリ、カワセミ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ムクドリ、スズメ、ホオジロ、(カワラバト)
追記:解散後、しばらくして上空をトビがゆっくりと舞う姿が見られた。 探鳥会としてのカウントには入れないが、この公園ではトビの飛来は珍しいので記録として記載する。
by umaminosizenn
| 2017-08-20 21:25
| 観察記録